その物件、本当に民泊向きですか?
「空き家を使って副収入を得たい」 「いい物件が出たから、今すぐ契約しなきゃ!」
そんな軽い気持ちで民泊に参入した方のご相談を受けることが多くなりました。 2025年現在、民泊市場は明らかに“勝ち組”と“負け組”に分かれつつあり、前者に共通するのは**「事業視点で民泊を捉えているか」**どうか、というところをお話しいていきます。
本記事では、民泊業界で10年以上のプレイヤーとして携わってきた私が、リアルな体感値をもとに「民泊事業の落とし穴」について注意喚起つ含めて記事にしてみました。
民泊は「副業」ではなく「投資型ビジネス」
民泊=“投資信託”のようなもの?
民泊は、株式投資や不動産投資と同じ“ビジネス投資”です。
管理会社に任せる=投資信託を選ぶようなもの。成功も失敗も、選んだ本人の責任です。
一方、マーケティング(どのOTAの載せてどのように予約を取っていくか)やオペレーション(トラブルが起こった時の対応やリスティングの公開文言の作成、写真を並び替えて反応を見てみる)を自ら学び実行する=個別株運用のようなもの。自己責任で成果をコントロールできる代わりに、知識と努力が求められます。
どちらを選ぶかは自由ですが、「任せておけば儲かる」と思う方は、間違いなく撤退予備軍です。
「管理会社が全部してくれるんでしょう?」「リスティングの載せ方がわからない」「Airbnb載せれば予約が勝手に入るんでしょう」→厳しいこと言います。この考え方で始めると資金ショートで不安な毎日を送ることになります。
大手も参入してきているこの業界で個人が勝っていくにはアィディアや本人のやる気に左右されるフェーズに突入しちゃってます。
よくある落とし穴:事前準備不足の“突貫開業”
ケース①:物件だけ先に契約
- 「やっと出た物件だから今借りなきゃ」と契約 →
- 消防法や自治体の条例が想定以上に厳しい
- 繁忙期に間に合わず、赤字スタート
ケース②:家具・備品がターゲット不一致
- 「ダイニングテーブルがない」「デスクが狭い」など
- ターゲットに合わない仕様のまま開業
- クレーム増、レビュー低下
- リフォーム済ませても古い物件すぎてトラブルばかり、、、結局レビューが低くて予約が入らなくなる
👉 民泊は“物件を選ぶ前”に戦略を決めておくことが鉄則です。
管理会社は売上アップの“魔法使い”ではない
管理会社の本来の業務とは?
業務内容 | 含まれる内容 |
---|---|
基本管理 | 清掃、鍵管理、緊急対応など |
コンサル | ターゲット選定、価格設計、マーケティング |
最近よくある誤解がこちら:
「管理会社にお願いすれば、売上まで勝手に上がるんですよね?」
違います。
売上向上は“戦略”の領域。ここまで求めるなら、コンサル料込みで対応してくれる業者か、フルサポートのパートナーを選ぶべきです。
確かに、ギリギリ去年くらいまでは実感として、そこまで深く考えなくても、新規参入者でもとりあえずOTAに載せれば予約が入るような状況だった気がします。
ただ今年度に入ってから、新規参入者の予約獲得の難しさは相当な難易度だと思っています。よって弊社ではコンサルティングも含めて運用している手前、ご自身で運用のイメージがあるような方には、正直に現実をお伝えしてご自身でやるか、弊社に完全に任せてもらうかを最初に決めてもらってから運営をさせてもらっています。
最近事前に必ず言います。「必ず3年間は弊社に任せてください」と。
これはあくまでも弊社のやり方ですが、3年間は任せてもらわないと昔と違って物件が育たないんですね。中途半端に管理委託をされるのが1番困るんです。事業主の理想と実際にお客様が入る導線作りを行った上で、弊社のやり方で物件を育てていくのは全然違うんですね。
ある意味、その物件に2人の社長がいて、2人の社長の意見が違うから、どっちつかずな中途半端な物件になってうまくいかないと言うケースと思ってもらえばわかりやすいでしょうか?
このような最初の段階からこちらが受けても成果が出せないと思うような条件から、お客様からの問い合わせが結構入ってくるようになりました。
弊社では何度も言っているのですが、管理を行うのか、マーケティングまで含めて運用を行って欲しいのか、ご自身でご自身の物件として育てたいのか、というところを、まずははっきりと振り分けをさせていただいて運用委託を行うかどうかを決定させていただいています。
そのくらい事業の成果というものがこれまでの副業イメージのように、開業してすぐ成果が出るようなフェーズとは変わってきていると言う状況を切にお伝えしたいところです。
応援をしないと言う意味ではなくて、管理業者の立場としても事業主の立場としてもそんなに簡単なフェーズではないことをお伝えしたいと思っています。
それでもしっかりと考えてご自身の責任で行っている民泊はやはり今も順調に伸びていますのでご安心を
管理業者との相性も非常に大切
- 戦略を共有できるか?
- 事業主として責任感があるか?
- 投資意識が高いか?
これらが揃っていなければ、管理業者側も安い手数料での受託は難しいのが本音です。
成功の分かれ道:事業主の「コミット度」
成功している事業主の特徴
- 自ら立地・客層・単価を徹底リサーチ
- ターゲットに合わせた家具・設備を自腹で整備
- マーケティングのPDCAを自分で回す
- 初期は清掃も対応しながら現場を理解
撤退していく事業主の特徴
- 「この家具気に入ってるから変更したくない」
- 「単価は2万円希望」←何となく周りの物件の宿泊単価をリサーチして、これならいけると思ってしまう。実際の根拠なし。
- 「管理会社が何とかしてくれるでしょ」
👉 自分の事業に“責任を持てない人”が、民泊で成功するのは不可能です。
【体験談】なぜ弊社は管理受託を絞るようになったのか
ここ1年で、以下のようなお問い合わせが急増しました:
- 物件契約後に管理だけ依頼したい
- 備品が不十分だが予算オーバーなのでこのままで
- 希望単価だけは強気(マーケティング設計なし)
結果、こうした物件ほど**レビューが伸びず、オープン後も改善されず、**収支悪化 → 引くにも引けず、という流れに。
だからこそ、弊社では次のような方針にしています:
- 戦略を共有し、一緒に育てていける事業主だけ受託
- 売上をコミットするなら、それ相応の手数料を明示
これからの民泊市場は「淘汰の時代」
大手法人も続々参入し、クオリティ・レビュー数・写真・サービスすべてが高水準化しています。
その中で、空き家をリフォームして安易に民泊化する時代は終了。
✔ 少し古い家を自力で直して民泊 → トラブルだらけでレビューが悪くなり埋もれる
✔ 素人写真・テンプレ文章 → 集客ゼロ
差別化・戦略・レビュー管理。
これらをトータルで考えないと、勝ち筋は絶対に見えてきません。
まとめ:民泊は「育てる」ビジネスです
- 民泊は“副業”ではなく“本業クラス”の事業
- 事前戦略なしの突貫開業は赤字撤退の原因に
- 管理業者は運営代行。売上アップまでお願いするなら戦略共有が不可欠
- 初期は自ら関与してノウハウを蓄積することが成功の鍵
あなたの物件、今の状態で勝てますか?
それを冷静に判断するところから、民泊事業は始まります。
自分で行いたい人にも管理を任せたい人にもそれぞれにあったサービス提供しています
📘 民泊開業を本気で学ぶならこちら
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民泊で本当に稼ぎたい人は、「ノリ」ではなく「設計図」を持って挑んでください。 応援しています。
※以上で記事本文は終了です