民泊ビジネス

「DIY民泊」の終焉?個人オーナーが “プロ運営フェーズ” で勝ち残る方法【2025年版】

民泊ビジネス

公開:2025/06/03 | 著者:株式会社グラディア


1. 市場フェーズは完全に変わった

住宅宿泊事業法の届出件数は 50,746件(2025年5月時点)と、制度開始時(2,210件)から約20倍へ増加。管理業者登録も2,996社に達し、都市部ではレッドオーシャンが常態化しています。 さらに平均清掃単価はワンルームで3,000〜5,000円、都内の1Kなら8,000円超と人件費高騰が直撃。一方、全国の宿泊施設平均稼働率は55〜60%台で頭打ち。

結論:「空き部屋を出せば儲かる」DIYフェーズは終わり。
これからは設計段階からの戦略運営オペレーションの質でしか差別化できません。


2. それでも 個人は勝てる ─ ただし“好き勝手”では負ける

都市部の民泊オーナーが地方へ手を伸ばしているのは、場所より運営設計が勝敗を決めると分かったからです。地方物件でも作り込みが甘ければすぐに陳腐化し稼働率が低迷します。当社は都内・地方の両方を運営していますが、売上が伸び悩む部屋は例外なく「ゲスト導線」を無視して作られています。

よくある失敗 vs. 勝ちパターン

失敗例なぜ負ける?勝ちパターン
高価なビンテージソファを置く写真映え◎でも清掃コスト&破損リスク↑掃除が楽なPUレザー+撮影用の差し色クッションで見栄え確保
ベッド数を最大化リネン費・ランドリー費が爆増=薄利多売「想定ADR×稼働率=目標粗利」から適正定員を逆算
ダイニングテーブル無し欧米客に即NG→低評価レビュー4人掛けテーブル+USB電源で“仕事も食事もOK”を訴求
大型ラグで高級感演出髪・ゴミで減点、清掃20分延長ラグ無し+高画質写真で床を明るく魅せる

Point:“好き” と “売れる” は別物。
① ゲスト導線 → ② コスト構造 → ③ 写真演出 の順に考えましょう。


3. 勝ち残りロードマップ

STEP 1 ─ 初期設計:プロまたは経験者と 一緒に 作る

  • ベッドレイアウト・消防設備・清掃動線は管理会社と共同設計
  • 地方物件でも長期稼働シミュレーションを行い、陳腐化リスクを先読み

STEP 2 ─ 体験価値×単価アップ

  • 農業体験/茶道/ローカルツアーなど“地域+体験”パッケージでADRを底上げ
  • OTAだけでなく、SNSコミュニティでファン化 → ダイレクト予約誘導

STEP 3 ─ 運営の外部化・自動化

  • 清掃・リネンはAPI連携で自動発注、可視化ダッシュボードで経費を即把握
  • 自分で頑張る場合も管理「基礎資格」を取得して“分かるオーナー”になる

4. 管理会社を選ぶチェックリスト

  1. 収支シミュレーションは“最悪ケース”で提示するか
    バラ色の数字しか出せない会社はNG。
  2. コスト削減提案があるか
    リネン再利用率/清掃ルーティンなど具体策を持つ会社が◎。
  3. 断る勇気があるか
    収益見込みが薄い案件を「やめた方が良い」と言える会社=本気で実績を追う証拠。

当社でも「好きな家具を絶対使いたい」という案件は
収支が合わない場合お断りしています。
管理料=責任ですから、実績を出せない物件は
“請けない勇気” も必要だと考えています。


5. “学んでから任せる/自分でやる” の新常識

実務講習+試験合格で住宅宿泊管理業登録が可能になりました。当社の 第3回 住宅宿泊管理業登録実務講習(7/26開催) は、要点を網羅し合格率90%超。修了者はクローズド・コミュニティにご招待し、最新失敗・成功事例を横展開しています。

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6. まとめ ─ 個人でも勝てるが、“戦略なき好き放題”では負ける

  • 市場はデータが示す通り“DIY→プロ”フェーズへ移行
  • 個人が勝つには体験価値設計 × コスト最適化 × ノウハウ習得が必須
  • 初期設計から信頼できる管理会社とタッグを組むか、
    自分で基礎資格を取り“分かるオーナー”になる

これから参入する方は、当社ブログやコミュニティで失敗例を学びつつ、最小投資 × 最大効果の立ち上げを目指してください。皆さんが“好き”と“稼ぐ”を両立できるよう、私たちも知見を公開し続けます!


※この記事は公共統計・業界調査を基に作成していますが、収益を保証するものではありません。
物件特性・エリア規制・為替変動等により結果は変動します。実投資は必ずご自身でシミュレーションの上ご判断ください。