不動産・物件

初心者必見!民泊の始め方完全ガイド:手続き・物件選び・成功のポイントを徹底解説

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民泊(民間宿泊施設)を始めたいけど、「何から手を付ければいいの?」「許可や届出が難しそう…」「本当にお客さんが来るかな?」 など不安に思っていませんか?

しかし、適切に準備をすれば自宅の空き部屋や空き物件を活用して副収入を得たり、世界中のゲストと交流したりと、民泊にはたくさんのメリットがあります。

近年はインバウンド(訪日外国人旅行者)の増加も追い風で、民泊の需要はますます高まっています。実際、2024年の訪日外国人は約3,687万人に達し、過去最多だった2019年(約3,188万人)を大きく上回りました 。 今こそ民泊を始めるチャンスと言えるでしょう。

本記事では、初心者の方向けに民泊の始め方を必要な手続き物件選びから集客・管理のコツまで詳しく解説します。ポイントを押さえて準備すれば、初めてでも安心して民泊運営をスタートできます!

民泊の始め方

まずは、民泊を始めるために必要な基本的ステップを押さえましょう。法律に沿った届出手続きと、ニーズに合った物件選びが成功の土台となります。

必要な手続き(届出・許可・法規制)

民泊を営業するには、法律上の手続きを踏むことが必須です。2018年施行の**住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)に基づき、所定の届出を行い届出番号(営業許可)**を取得する必要があります。無許可で営業すると罰則の対象となるため注意しましょう。

実際、許可なく民泊営業を行うと最大6ヶ月の懲役または100万円以下の罰金などの罪に問われる可能性があります 。 法を守って健全に運営することが大前提です。

では、具体的にどんな手続きが必要なのでしょうか。民泊開業までの基本的な流れをステップ形式でまとめました。

STEP 1
物件の確認と許可取得

まず民泊可能な物件を確保します。賃貸物件の場合はオーナーから転貸(又貸し)の許可を得ましょう(マンションなら管理規約で民泊可か要確認)。この許可なしに物件を又貸しするとトラブルの原因になります(※物件選びのポイントは後述)。

STEP2
事前相談(保健所・消防署)

物件が決まったら契約前に地元の保健所に相談し、その物件で民泊営業が可能か確認します。同時に消防署にも相談し、必要な消防設備の設置や防火対策について指導を受けましょう。物件によっては火災報知器や消火器、非常灯などの設置が義務付けられます。

STEP3
届出書類の準備

民泊の届出に必要な書類一式を準備します。提出先は主に保健所です。提出書類には、住宅宿泊事業の届出書、物件の間取り図、設備の概要、物件の権原を証する書類(賃貸の場合はオーナーの承諾書、分譲マンションの場合は管理規約の写し)などが含まれます。個人で届出する場合と法人の場合で多少書類が異なるので、自治体の案内に沿って漏れなく揃えましょう。

STEP4
住宅宿泊事業の届出

書類が整ったら住宅宿泊事業の届出を行います。保健所に書類一式を提出し、内容に問題がなければ受理されます。後日、届出番号(事業番号)が発行され、晴れて民泊営業の許可が下ります。

STEP5
民泊サービスへの登録・開業

届出番号を取得できれば、実際にゲストを受け入れ可能です。Airbnbなど民泊仲介サイトに物件情報を登録し、予約を受け付けましょう。内装の準備やハウスルール整備も忘れずに行い、ゲストを迎える準備を万全にします。

なお、住宅宿泊事業法に基づく民泊(届出制民泊)では、年間の営業日数が180日以内に制限されています 。1年間フルに営業したい場合、旅館業法の簡易宿所許可を取得するか、特定区域で認められた特区民泊の制度を利用する必要があります。ただし、これらはハードルが高いため、初心者はまず届出制の民泊から始めるのが現実的かもしれません。

物件選びのポイント(立地・設備・ターゲット層)

民泊運営の成否は「どんな物件で始めるか」に大きく左右されます。物件選びでは立地設備ターゲット層の3点が重要です。

立地(ロケーション)

立地は集客力を左右する最重要ポイントです。観光地や主要駅の近く、繁華街や空港アクセスの良い場所は国内外のゲストに人気です。

例えば東京や大阪の都心部、京都の観光エリアなどは高い需要が期待できます。一方、地方でも温泉地やリゾート地、ビジネス出張の多い都市圏であれば民泊ニーズがあります。

周辺に飲食店やコンビニがあるかもチェックしましょう。

許可と物件の種類

賃貸物件なら大家さんの許可が必要であり、マンションなら管理規約で民泊が禁止されていないか確認が必要です。許可なく又貸しすると法律違反となる可能性があるので注意してください 。

物件の種類としてはマンションの一室から一戸建てまで様々ですが、初心者にはワンルームマンションやアパートの一室など管理しやすい物件がおすすめです。

戸建ては大人数を収容でき魅力的ですが、その分初期費用や近隣対応、清掃の手間も増えます。まずは無理のない規模から始めると良いでしょう。

設備・内装

ゲストが快適に過ごせる設備を整えることが大切です。

特に無料Wi-Fiは現代の旅行者に必須と言えます。キッチン設備や調理器具、洗濯機などが備わっていれば長期滞在者にもアピールできます。ベッドや寝具類は清潔で心地よいものを用意し、タオルやシャンプーなどのアメニティもホテル並みに揃えると喜ばれます。

内装は明るく清潔感を保ち、テーマ性を持たせるのもおすすめです(和風インテリアで日本文化を演出する等)。魅力的な写真を撮影するために、観葉植物やアクセント小物で雰囲気作りをする工夫も効果的です。

ターゲット層の設定

物件選びの段階でターゲットとするゲスト層をイメージしておきましょう。

例えば、外国人バックパッカーを狙うならドミトリー風のベッド複数設置や低価格重視の簡素な部屋でも需要があります。
ファミリー層がターゲットなら、リビングが広くキッチン付きの物件や、和室があって家族でくつろげる空間が好まれます。
ビジネス出張者向けであれば、駅近のマンションで高速Wi-Fiとワークデスクを備えるなど、仕事がしやすい環境を用意すると良いでしょう。

このようにターゲットに合わせて必要な設備や間取りも変わってきます。

以上を踏まえて、物件選定時には次のポイントをチェックしましょう。

  • 立地条件: 周辺環境やアクセス(最寄り駅・観光地までの距離)は良好か?
  • 利用許可: 賃貸ならオーナーの承諾取得済みか、物件の規約で民泊が許可されているか?
  • 間取り・収容人数: 部屋の広さや間取りは想定するゲスト人数に見合っているか?(例:二段ベッドを置けば定員増など)
  • 必須設備: Wi-Fiやエアコン、寝具、消防設備(火災報知器・消火器)は設置可能か?
  • 近隣対策: 防音・騒音対策は十分か?ゴミ出し場所など周辺の協力は得られそうか?

成功するためのポイント

物件と届出の準備が整ったら、実際の運営で成功するためのポイントを押さえましょう。集客(マーケティング)戦略管理方法の選択が、安定した民泊運営のカギとなります。

集客戦略(Airbnbなどの活用、SEO対策、口コミの重要性)

民泊で安定した収益を上げるには、継続的に**宿泊予約を獲得する工夫(集客戦略)**が欠かせません。以下のポイントに注目して集客力を高めましょう。

民泊プラットフォームの活用

初心者の方はまずAirbnb(エアビーアンドビー)への掲載から始めるのがおすすめです。Airbnbは世界中の旅行者が利用する代表的な民泊仲介サイトで、日本の民泊物件も多数掲載されています。

その他にもBooking.comAgoda, 楽天ステイなど複数のプラットフォームがあります。最初は1サイトでも構いませんが、慣れてきたら複数のサイトに掲載することで露出が増え、予約機会が拡大します。サイトごとに手数料や客層が異なるため、運営に慣れてきたら自分に合ったプラットフォームを選択・併用すると良いでしょう。

魅力的な物件ページ作り

プラットフォーム上の物件ページはあなたの民泊の顔です。プロ並みの高画質な写真を部屋の隅々まで掲載し、タイトルと紹介文で物件の魅力を存分にアピールしましょう。

「駅徒歩○分」「富士山が見えるテラス」「無料Wi-Fi完備・キッチン利用可」など、ゲストが喜ぶポイントを具体的に記載します。近隣の観光スポット情報やアクセス方法も丁寧に書いておくと親切です。
外国人向けに英語(必要に応じて中国語や韓国語など)でも説明を用意すると、予約につながりやすくなります。(Airbnbには自動翻訳機能もありますが、ホスト自身で自然な表現に直すとより効果的です。)

価格設定と検索対策(SEO)

宿泊料金の設定は周辺エリアの競合物件をリサーチして適正価格を見極めましょう。開始直後は実績がない分、プロモーション価格割引を活用して予約を取りやすくするのも一つの戦略です。

また、Airbnb内で検索上位に表示されるための対策(いわゆるAirbnb内SEO)も重要です。具体的には「即時予約可」に設定する、問い合わせへの返信を迅速に行う、予約確定率を高める、カレンダーを常に最新に保つ、といった行動が評価につながります。

さらに、ゲストから高評価を得てレビュー件数を増やすことで検索結果で上位に表示されやすくなります。将来的にスーパーホストになれば信頼度が増し、集客にも有利です。

口コミ(レビュー)の重要性

民泊において口コミ評価は新規ゲストの予約判断を左右する非常に重要な要素です。

ゲスト滞在後にはレビューを書いてもらえるよう丁寧にフォローしましょう。高評価を得るには、清潔さや正確な情報提供はもちろん、迅速で心のこもったコミュニケーションが欠かせません。
チェックイン時に地域のおすすめスポット情報を渡す、ウェルカムドリンクやプチギフトを用意するといった気配りも喜ばれます。

小さな満足の積み重ねが⭐5つのレビュー獲得につながり、レビューが増えるほど次の予約も入りやすくなる好循環が生まれます。リピーターになってもらえるような関係構築も目指しましょう。

独自の集客チャネル

ある程度運営に慣れてきたら、独自のホームページやSNSを活用して直接予約を受け付ける方法も検討できます。自社サイトからの予約は仲介手数料が不要になるメリットがあります。

ただしサイト構築やSEO集客には時間と労力がかかるため、初心者の段階ではまず既存のプラットフォームで十分な実績を積むことに注力しましょう。

管理の選択肢(自主管理 vs. 委託管理の比較)

民泊運営を軌道に乗せるには、運営管理をどうするかも重要な検討事項です。管理方法には、大きく分けて**自分で全てを管理する(自主管理)**か、**専門業者に運営を委託する(委託管理)**かの二通りがあります。

それぞれメリット・デメリットがあるため、ライフスタイルや予算に応じて選びましょう。以下に自主管理と委託管理の特徴を比較します。

管理方法メリットデメリット
自主管理 (自分で運営)・手数料がかからず利益を最大化できる・運営状況を細部まで把握できる・ホスト自身の個性を活かしたおもてなしが可能・時間と労力を要する(予約対応や清掃、問合せ対応は24時間体制)・多言語対応や緊急トラブル対応の負担・初心者にはノウハウ習得まで試行錯誤が必要
委託管理 (業者にお任せ)・運営の手間が大幅軽減(プロに任せて安心)・集客支援や価格最適化などサポート充実・遠方の物件でも運営可能・委託手数料が発生(収益の20〜30%程度が業者取り分)・信頼できる業者選びが不可欠・運営方針に融通が利きにくい場合もある

自主管理の場合、清掃やリネン交換ひとつとっても自分で行う必要があり、仕事をしながらだと大変です。とはいえ費用負担が少なく済むため、近隣に住んでいて時間に余裕があるオーナーさんには向いています。最近ではスマートロックやセルフチェックインシステム、チャットボットなどを導入し、自主管理でも省力化する取り組みも増えています。

一方、委託管理(運用代行サービス)を利用すると、日々のゲスト対応や清掃手配はすべて業者が請け負ってくれるため本業が忙しい方でも安心です。代行会社によっては多言語対応や集客マーケティングまで行ってくれるところもあります。もちろん手数料は差し引かれますが、「手間をお金で買う」イメージで任せる価値は十分にあります。委託する場合は実績と信頼のある運営代行会社を選ぶようにしましょう。

まとめ

民泊を始めるにあたって必要な手続きの流れ物件選びのコツ、そして運営を成功させるポイントを解説してきました。最初は覚えることや準備が多く大変に感じるかもしれませんが、一つひとつ着実にクリアしていけば初心者でも十分に民泊運営は可能です。ぜひ本記事のガイドを参考に、理想の民泊ホストへの第一歩を踏み出してみてください!

さらに民泊運営について詳しく知りたい方や、「自分の場合はどう進めればいい?」とお悩みの方は、プロの力を借りるのも一つの手です弊社での住宅宿泊管理業登録実務講習の資格取得や、そもそも全てを代行業者にお任せしたい方は、下記にご案内するリンクからお気軽にお問い合わせいただけます。

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